川本真琴が大好きすぎてこのブログも川本真琴の記事から書きたかったのだけど、書きたいことが多すぎて何から書いていいのかわからず。

「愛の才能」で颯爽と登場したあたりの衝撃など交えて紹介したかったのだけど、それを書き始めると川本真琴の歴史と思い入れだけで終わってしまいそうで。

結局他のアーティストで肩慣らしをして、満を持して川本真琴の記事を書くことに決めました。

そろそろ…と思いつつ、まだちょっと心の準備が。

とりあえず楽曲としてパンチラインが多く初期川本真琴からの転換点となる「ピカピカ」を紹介したいと思います。

「愛の才能」「DNA」「1/2」と順調にシングルを出していって大ヒット。
しかし「桜」頃からシングルを出す間隔が長くなり…。
メディアでは女子高生の教祖と紹介されつつ、実際ライブ会場に来てるのは男性オタクしかいなくて病んだと言われてる川本真琴姫。

今回紹介する「ピカピカ」は「桜」の次のシングルです。
まず曲を聴いてみてください。めちゃめちゃ難しい。
「桜」までのポップで一般受けする楽曲とは一線を画すメロディ。



歌詞詰め込み気味なのは同じですが路線が全然違いますよね。
世界観も身近な世間から抽象的な広がりがあり。

この辺に世間から求められている”川本真琴”と本当に作りたい曲の乖離があって、その折衷案的なものを感じます。


早速サビの部分ですが

1番サビ
“「ピカピカ」って、そっと、唱える 
もっといっぱい 新しいあたし 欲しい 欲しい 
「ピカピカ」って、そっと、唱える 
もっと強い 新しい身体 欲しい 欲しい 
-大事なオマジナイ- 
いつかどこか誰かがひろって愛してもらえますように”

2番サビ
“「ピカピカ」なまんまで 会いたい
もっといっぱい 新しい明日 欲しい 欲しい
 「ピカピカ」なまんまで 会いたい
もっと痛い 新しい傷が 欲しい 欲しい
 -大事なオマジナイ- 
いつかどこか誰かがひろって愛してもらえますように”

「ピカピカ」って純潔の隠喩なんじゃないかなー。なんて。
“いつかどこか誰かがひろって愛してもらえますように”
という非常に受け身の願望ですがお姫様である条件に純潔が必要だと気付いてしまったみたいな。

サビ以外の箇所で“同じ月の下” “緋の月の下” “星空飛び出しそうで” “星空 仲間たちから盗んで”との描写から舞台が夜であることがわかり、上記のことをピカピカ光る星に祈ってるのかなと。

「愛の才能」から恋愛体質ぽい曲が多めですがそういう恋愛に疲れてしまって、身体も心も一度全部何もかもリセットして運命の王子様に迎えに来て欲しいというある種の現実逃避的な。

「川本真琴」アルバムの「10分前」でも生まれ変わりたい願望がありますがこちらは”こんな身体脱ぎ捨ててあたしが新しくなる” “10分後にはキスしてるかもしれない” と肉食かつ能動的な感じがあり、「ピカピカ」は色々なことに傷ついてしまったがゆえに消極的かつ自分に自信がない印象を受けます。

また
“全財産詰めた鞄が軽くてステキでしょ?”

という歌詞も中々痺れるパンチラインなのですが、この曲が作られた時期を考えると彼女自身とても疲れていて現実逃避したい、逃げたい気持ちだったのかなと。

いや、曲で聴くとそんなネガティブなかんじしないんですけどあくまで歌詞を読んだ印象がね?

最後に前述の“いつかどこか〜”  “全財産〜”と同じくらい好きな箇所を紹介して終わります。

“「好き」にいっぱいシクシク「悲しい」ってたしてくと君に似ている”
やっぱ天才だなー。こういう表現どうやって思いつくんだろう。
ピカピカは隠れた名作だと思います。